・あらすじ:
2019年、人類は宇宙へと進出していた。
他惑星での資源開発を目的として作られた人造人間・レプリカントは感情をもたないアンドロイドだったが、彼らの中から人間のように感情をもった個体が出現した。
ロサンゼルスの刑事デッカードは開拓中の惑星より脱走、乗組員を殺害してスペースシャトルを奪った4人のレプリカントを捜索・処分するように命令を受ける。
脱走したレプリカントは人間と見分けることは困難を極める「ネクサス6型」というタイプだった。
新型レプリカント「ネクサス6型」の開発者のタイレル博士を訪ねたデッカードは、そこで秘書のレイチェルと知り合うが、実は彼女もまたレプリカントだった。
そして、脱走した4体のレプリカントもまた、タイレル博士の研究所を目指していた。
・見どころ:
この映画の舞台は2019年ということですが、さすがに現実はそこまで進んではいません。
しかし、この映画が作られた当時の世相を考えると現在の目線で見ても全く古くささを感じることはありません。
特に目につくのが「アジアンテイスト」です。
日本語の看板や音声も一部で使われており、このあたりは「多国籍」というイメージを醸し出すことに成功しています。
ジャンルとしては人造人間というキーワードや、「宇宙にまで進出している人類」という世界観から「SF」に設定しましたが、いかにもSF的な小道具は実はそれほど出てきません。
むしろ人間対レプリカントのアクション、葛藤といった部分が前面に押し出されており、その多国籍なイメージからマイケル・ダグラス主演の「ブラック・レイン」に近いものがあると思います。
あの映画でも「日本」という異世界からはみ出した松田優作という存在が際だっていますが、この映画ではそれをレプリカントとして置き換えるとまた違った見方ができると思うのです。
・感想:
「デッカード」という名前は「勇者警察ジェイデッカー」でも主役ロボの名前として使われた名称ですが、そのデッカードのオリジナルがこの映画です。
ハリソン・フォードの代表作といえば多くの人が「インディ・ジョーンズ」シリーズを挙げると思いますが、個人的にはこちらの「ブレードランナー」でしょう。
「ブレードランナー」といえばその独特の世界観から多くのファンがいますが、この映画の完成度を高めるうえでハリソン・フォードの存在は不可欠であり、これ以上ないカッコ良さをこの映画では存分に感じ取ることができます。