・あらすじ:
製薬会社「ジェネシス」に勤めるウィルは、アルツハイマー病の治療に有効な薬「ALZ112」を開発、実験としてチンパンジーへの投与を開始する。
その結果チンパンジーは知能が劇的に向上したことから、ウィルはさらなる実験を進めようと上申するもののチンパンジーはみごもった子供を守るために凶暴化し、射殺されてしまう。
ウィルはその子供を引き取りシーザーと名づけて育てることになった。
シーザーは成長するとともにかつて母猿がそうだったように優れた知性を発揮するようになる。
その様子をみたウィルはアルツハイマー病を患っている父親チャールズにALZ112を投与、チャールズは見事に回復するのだった。
しかしそれから5年後、チャールズは隣人とトラブルを起こし、それを守ろうとしたシーザーは隣人に怪我をさせたことから霊長類保護施設へ送られてしまう。
「普通の猿」を知らずに育ったシーザーは他の猿と馴染むことができないばかりか施設の管理人からいわれなき虐待を受け少しずつ人間に対する憎悪を募らせていくようになり…
・見どころ:
かのSFの名作「猿の惑星」のリブート作品です。
この映画ではアルツハイマー型認知症の治療を目的とした新薬がもとで知能が発達した猿が登場しますが、この設定がとにかく秀逸です。
旧「猿の惑星」シリーズは1,2作まではともかく3作め以降は荒唐無稽な設定が目立っていたのですが、この作品の場合「認知症の治療」というリアリティあふれる設定で猿の知能が向上します。
終盤ではALZ112を投与された他の猿たちと人間との全面対決にまで発展しますが、身体能力としては人間をはるかに凌ぐ猿が人間と同等の知能を持つとここまで手に負えないのか、とこの点でもリアリティを感じます。
・感想:
この映画は果たして旧シリーズの「猿の惑星」につながるのかつながらないのか、ここがキーとなります。
個人的にはこの映画は旧シリーズにはつながらないものと思って見ました。
むしろこの作品がつながるとなれば、いろいろと設定に矛盾が出てきますのでここではあくまでも設定の一部を流用したパラレル作品と考えた方が良いでしょう。
それを差し引いて考えても、旧シリーズに「つながるかもしれない」という見方ができるという点では秀逸な映画だったと思います。
猿たちのリーダーとなるのが「シーザー」というのも旧シリーズに対するオマージュとして好意的に感じられる部分です。